チームファシリテーター的な近頃の取り組み
はじめに
これまでプロジェクトマネージメントや設計が主たる役割でしたが、スクラム開発を約1年続けた結果、ここ最近チームファシリテーター的な役割に軸足を置くようになってきました。 S/W開発はプロセスやツールを横から持って来れば成功するものではなく、良いチームをどう作り上げていくかが重要だということを身に染みて感じるこの頃です。
早速ですが、ここ3ヶ月ほどの取り組みについてYWTでふりかえりを行いたいと思います。
やったこと
スクラムPJ
1年近く毎週ふりかえりを実施してきたので、練度の高いチームになってきました。
- ふりかえりファシリテーションをスクラムマスター専任制から輪番制へ
- どういうときにどんなふりかえりをしたら良いかメンバー自身で考えるようになった。
- メンバーからsix-hatsをやろうとの提案。
- 新しいふりかえりフレームワークをメンバーが開発。(Fun Journey)
ウォーターフォールPJ
いにしえの開発方式を続けているPJにも同時に参画しています。 そちらにもスクラム開発の成果を展開するような活動を始めました。
組織
- 週報文化しかありませんでしたが、YWT日報チャンネルを導入しました。
- 社内のアジャイル研究会にびばさん講座依頼を打診。
わかったこと
- ふりかえりを実施してみるととにかく評判が良い。みんな楽しいふりかえりが大好きでした。
- KPT以外の手法をやってみると、新鮮/もっと他の手法もやりたいという声が多いです。
- 特に称え合うアクティビティや感謝のアクティビティは、中々機会がないとできないので、もっとこういう機会を作っていきたいという雰囲気に。
- スクラムチームではFun/Done/Learnのふりかえり結果を通して、どういうチームに次はしていきたいか?を語れるようになりました。
- 日報チャンネルを始めたことで情報の共有と雑談が増えました。誰かが困っていることを他の誰かが直ぐに手助けするようなシーンや、誰かの気づきを直ぐに共有できて役に立つようなことが起き始めました。個人も組織も前に進んでいっている感が出てきてます。
次にやること
- 大規模プロジェクトのふりかえり
- タイミング毎にどんなアジェンダでやるかを検討中。ふりかえりの型について勉強しています。
- リモートでのふりかえり
リモートのふりかえりはびばさんのこの記事などが参考になりそう。 qiita.com
弟子活1on1のメモ(4/12追記)
弟子活の1on1をZoomでやりました。 早速1on1のふりかえりのためにメモを書いていきます。
話をしたかったテーマは以下のとおり。
- 最近の活動内容についてどうでしょう?[今回実施]
- リモートでのふりかえりってどうやるの?[今回実施]
- 大規模プロジェクトのふりかえりってどうやるの?
- 練度が高まってきたスクラムチームをもう一段成長させるには?
ふりかえりについてどうか?
最近の取り組みを説明して、コメントをいただきました。
- ふりかえりの内容は問題ない。自分の中で納得できている。
- ひとまずやり方はこのままで継続することを頑張ろう。
- 新しいフレームワークを開発したことは驚き。そこまで到達することは珍しい。何故できたのか?深掘りすると良い。
リモートふりかえりどうやる?
手元にあるツールはチャットツールとskypeと共有ファイルサーバのみ。 その中で出来る手段は何があるか?他チームの事例等を参考にしたいと思い、1on1というよりティーチングのような形で教えて頂きました。 まずはチームで試してみたいと思います。いずれも人数は少ないことが前提となります(〜6,7人程度)
チャットOnlyの場合
- 学んだこと
- 例えばKPT。
- スレッド等でKeep出していく。
- 読む時間、反応するための時間を確保する。(いいね!やリプライ等々)
- 反応が多いものについてリプライ等で深掘りする。
- Problemもスレッド等で同様に。獲得投票数が多いものを抽出する。
- Try。Problemの獲得投票数が多いものについて具体的なアクションをチャットで検討していく。
- 多言語メンバーによるふりかえり等、音声でコミュニケーションし辛い場合にも効果がある。
- 考えたこと
- 付箋の手書きによる味みたいなものが表現できないのはやっぱり寂しい。
- チャットの方が場合によっては量は出るかもしれない。
- 説明しながら付箋を出すスタイルも使えないので、あまり誤解を与えない文章にすることを気をつけた方がいいかも。
- もしくは曖昧なままにして深掘りを膨らませることをしても面白いときがあるかもしれない。ケースバイケース。
- 付箋を貼る位置って実は結構意味があったりするので、チャットの文字列に情報が乗せられないのはどうカバーできるか課題。
音声Onlyの場合
- 学んだこと
- 対話形式でやってみる。問いかけ→返答。ふりかえりamでKANEさんとやっているスタイル。
- Keepは何かありますか?他には何かありますか?
- 話をした内容を画面共有できるともっとやりやすい。
- 考えたこと
- 時間がとにかくかかりそう。2〜3人が自分が今できそうな限界に思う。
- 普段は自分が話をしているときや、誰かが話をしているとき、他のメンバーの反応を見ながら進行できるけれど、Skypeだとそれが難しい。
- 誰かの返答に対して何かコメントありますか?と問いかける必要もあるけど、間が空く分、慣れないメンバーだと発言しにくい。
- チャットだけよりも声がある分、声のトーンでノンバーバルなメッセージは伝わりやすいかも。
チャット+音声の場合
- 学んだこと
- チャットOnlyの方法で実施しつつ、深掘りやTry決めのときに音声も活用する。
- 一番ベーシックなスタイル。
- 考えたこと
- チャットで意見出しを効率化、音声でテキスト以外の内容補完、ノンバーバルなメッセージの伝達、などなど。今できる最良。
- そういえば対面でのふりかえりでは付箋に書き出した内容よりも細かい内容を口頭で説明することも多い。
- 中々その場で更に付箋に書き出すことが出来ていなかったけれど、チャットならささっと追記していけそう。
- 良い意味で、誰かが話をしているときはちゃんと聞いていないと感が薄れて、同時並列なふりかえりにすることができるかも?
実施にあたっての追加ポイント
- あらかじめメンバー間の期待値を揃えておくことが大事。
- 対面でやる場合よりも密度が低い、効率が悪い、上手くできないことの方が多いので、ここはもう割り切る。
- ふりかえりのふりかえりで、対面とのギャップを分析してカイゼンしていくのが吉。
- チャットだと白板に書き出して俯瞰的に可視化することができないので、ファシリテーターが代表で可視化するのもあり。
- 顔の視覚情報は話をしている人しか映せないツールのような場合はあまり意味がないので、全員が映るツールをなるべく利用。か、映さない。
- 世の中のツールとしてはmiroが使いやすいので提案してみるのもあり。
どんなチームにもピッタリな方法はないので何がはまるか、色々模索してみるのが楽しそうです。 ふりかえり、という観点で考えましたが、広くリモートワーク全般に当てはまる内容だなと思います。 リモートワークにおけるコミュニケーションをふりかえりの場で練習すると捉えるのが良いですね。
1on1って?
チームファシリテーター的な役割として今後自分に必要となるであろうスキルセットの1つとして。 また弟子活の弟子としてどのような姿勢で師事したら良いのか?という疑問に対する答えとして。 1on1の中で1on1を教えて頂きました。
学んだこと
- 1on1は1on1される側の時間。評価の時間ではない。利害関係がない関係でやると良い。
- コルブの経験学習サイクルを回すことが狙い。知識を内省する手伝いをして、自己の成長のアクションを決めていく。
- 1on1する側はされる側を誘導する必要はない。何を話したいか、どうしたいか、はされる側がネタを考える。
- コーチングが主だけども、状況によってはティーチングが必要なときもある。
- 「〜した方が良い、すべき」のようなアイデア提示はしない。される側が自分自身で気づくように問いかけ、後押しする。
- こうなって欲しいというわけではない。1on1する側の想像を超える、殻を破ることもある。
- 経験学習サイクルを回すためにネクストアクションにつなげることが大事。
- 1on1する側になったことを想像するとどうしてもアドバイスしがちになってしまいそう?
- 答えを自分が持っているという考えを捨てることが肝要。1on1される側が答えを持っていると考えて、とにかく傾聴する。
考えたこと
- これまで授業や指導のようなティーチング形式は受けてきたけれども、1on1みたいなコーチングって経験がなかったかもしれない。
- まず利害関係がない関係を作るというのが意識的にやらないと難しい。自組織の中だけだと立場が先に来てしまう。
- そういう場として技術コミュニティがやっぱり適している。背景や課題を共有しつつ、互いに成長し合える関係を作ることができる。Give & Giveの精神。
- あと、1on1って親と子の関係にまさに適用できるよう。親の想像を勝手に超えていくのが子供だけれど、親が子供の限界になっちゃいけないからなー。
- 経験学習サイクルは今どのフェーズかな?を認識することで更に成長を加速していけそう。そのためにも言語化と読み直しが役に立つ。
- 自分の引き出しにモノを詰めるのが好きな性格だけど、他人の引き出しをもっと引き出せるようにもなっていきたい。
次のアクション
近頃の取り組みのふりかえりと1on1を踏まえて、次のアクションを決めました。 期限は1ヶ月。一応、SMART*1にしているつもりです。
- リモートふりかえりを次回のスプリントレトロスペクティブで実施する。対面とのギャップを分析して、ブログにアウトプットする。
- スクラムチームがどうしてふりかえりフレームワークを開発するに至ったのか深掘りして、ブログにアウトプットする。
おわりに
仕事と育児が忙しくてブログが"書けません"
↓
結論:書ける。*2