1on1ミーティングをしてみて分かったこと

はじめに

こんにちは、kuroです。

「1on1ミーティング Advent Calendar 2020」の20日目です。

adventar.org

この記事では、今年始めた1on1ミーティング(以下、1on1)についてふりかえった内容を紹介します。

なぜ1on1を始めたか?

1on1を初めて知ったのは何かの書籍だったと思いますが、本格的に学び始めたのはふりかえり弟子活で1on1をしてもらったことがきっかけでした。なぜ1on1を始めたのか?それは実際に1on1をしてもらってその価値に気づいたからに他なりません。 1on1をしてもらうことで、悩みを言語化出来たり、内省を支援して貰えたり、自分の知らない自分の一面に気付けたり、など様々な効果があることを学びました。そして、自分も1on1する側として何か出来ないか?と考えるようになりました。また1on1という機会を積極的に作ることで、メンティーと細やかなコミュニケーションを取ることや、対話のスキルを磨きたかったという想いがありました。

1on1を始めたころのツイートはこんな感じ。

ちなみに1on1については、主に1on1カードと使いこなしブック、1on1ラジオを参考に勉強しています。

booth.pm

anchor.fm

1on1してみて分かったこと

1on1する側になって分かったことは、1on1する側の学びも多いということです。 感想という形でメンティーから1on1のフィードバックを直接もらうときもあれば、1on1をする中で相手を通して自分のことを逆に良く知る機会になるなと感じました。

私の場合は週1回、同じ時間同じ場所で実施しているのですが、定期的な場があることで相談しやすい関係を作れたなと思います。 業務が忙しくなってくると雑談する時間が取れなかったり、相談する間がないときもしばしばあるものですが、この時間だけはしっかりと取って話をするというお互いの約束が信頼関係の構築に一役買っています。

また、主としてコーチングを意識がけてはいますが、時と場合によってはティーチングであったり、相談内容に対して直接支援することも必要だということを学びました。業務上も直接の指示関係がありますので、「あなたはどうしたい?どうする?」と問いかけることよりもまずは相談にしっかりと乗って対処してあげることから始め、信頼関係を積み上げいく、その先に自己成長のビジョンやそのためのアクションを一緒に考えてあげるようなスタンスが自分には合っているなと思いました。要はバランス。

チームの中の1on1

メンティーは自分のチームのメンバーでもあるのですが、チームにおける1on1の意義について考えたことを思いつきレベルですが共有します。

チームを活性化する活動はチームファシリテーションやチームビルディングとなりますが、個々のメンバーにフォーカスするのではなく、チーム全体にピントを合わせるようなアプローチと理解しています。当然、個々のメンバーの様子は考慮するものの、意識は全体にあって、メンバーそれぞれの深掘りは難しいです。

一方で、1on1は完全に個です。チーム全体を意識しながらメンバーの話を聞いていたらそれは傾聴にはならないと思います。 そのときだけは相対するメンバーに意識を集中する。では対話するにあたってチームのことを無視していいかというとそうではなくて、チームのこともぼんやりと考えている。

全体か個かではなく、個が全体を作り、また一方で全体の中に個があると考えています。 チームビルディングやファシリテーションに対する1on1。それらはピントの合わせ方次第であって根元は同じものなんじゃないか?と思う次第です。

おわりに

いかがでしょうか。 私は、1on1を始めてまだ一人目まだ半年にも満たないですが、これからもずっと継続して勉強していきたいなと思っています。

みなさんも、良い1on1ライフを!

2020年 ふりかえり弟子活のふりかえり

はじめに

こんにちは、kuroです。

「ふりかえり Advent Calendar 2020」の12日目です。

adventar.org

この記事では、アドベントカレンダーの作成者でもあるびばさんと今年始めた「ふりかえり弟子活」についてふりかえりをした内容を紹介します。

ふりかえり弟子活?

経緯等はこちらの記事に。

kurogi-s.hatenablog.com

ちなみに、びばさんの師匠がgaoryuさんで、びばさんの弟弟子がてぃーびーさん。系譜は続く。お二人とももっと交流していきたいです。

Keep, Problem, Try

弟子活についてKPTを使ってふりかえりをしてみました。

Keep(続けていきたいこと)

  • 1〜2ヶ月周期の1on1
  • ブログへのアウトプット
  • 次のアクションを決めること
  • アクションのフォローアップ

定期的な1on1によって、良いサイクルが出来ていました。 ブログに書くことで宣言的に活動出来るのも良かったです。 自分自身の成長と自分の職場にふりかえり文化を作りたいというのが大きな目標でしたが、プライベートではXP祭りビブリオバトルに参加したり、オンラインイベントを開催したり、社内ではデイリーのYWTチャンネルを始めたり、色々な場でふりかえりのファシリテーションをしたり、ふりかえり手法を広めたり、と色々取り組むことが出来たきっかけ・動機付けは弟子活だったなあと思います。

Problem(今後の課題)

  • 登壇(CfPへの応募)はできんかった
  • 外でファシリテーションする機会があまり作れなかった
  • びばさんを社内に呼べなかった

諸事情で社内の講演にお呼び出来なかったのは心残りでした。来年は絶対企画してやります。 中の活動は大分進んだので、自分自身が外で活動する機会をもっと作っていきたい。

Try(次のチャレンジ)

  • 講演の企画
  • CfPへの応募

Problemを受けて、Tryはこの2つにしました! Keepも含めて師匠と相談!

悩みの変化

弟子活1on1で相談する悩みもこの1年間で変化がありました。 時系列順にざっくり書き出すと以下のとおりです。

  • オンラインふりかえりってどうやってやるの?
  • オンラインイベントってどうやってやるの?
  • チームのふりかえりに対するもやもや
  • 偉大なスクラムマスターとは
  • コミュニティ活動との向き合い方
  • ふりかえりの質をもっと高めるためには?
  • 個人のふりかえりや自己成長

書き出して思い返してみることでわかったことですが、 前半がふりかえりやチームファシリテーションのHowに対する悩みであるのに対して、 後半はふりかえりやチームファシリテーションそのものをどう良くしていくか?良くなるサイクルを作るにはどうすべきか?に悩みが変わってきています。 個々のふりかえりをもっと良くするためには、ふりかえりの方法論以外にも視野を広げる必要があることに気づけたことは学びだったなと思います。

ふりかえり観の変化

弟子活を通して自分のふりかえり観がどう変化したのか?自身のツイートを辿ってみることで、ふりかえりしてみました。

まず昨年のツイートです。


  • 2019年5月

  • 2019年6月

"頑張る"とか"正しい"という言葉と一緒に語っていたんだなーというのが驚きでした。 悪気はないんだろうけれども、頑張るふりかえりとか正しいふりかえりとか、強制されたらちょっと嫌かもしれない。

続いて、2020年のツイートを時系列順に。


  • 2020年1月

  • 2020年4月

品質、効率、生産性などの言葉と一緒に語ることが多かったかもしれません。 ふりかえりの効果・効能の焦点がプロダクトだけだったかもしれないなあと思いました。

さらに進んで


  • 2020年6月

  • 2020年7月

場の話が出てきました。 カイゼン自体よりもふりかえりという場を作ることでチームが会話するきっかけとすることに重きを置くようになってきました。 一方でTryについてはまだ課題を感じているよう。

さらに進むと


  • 2020年7月

  • 2020年10月

  • 2020年11月

何か吹っ切れた様子。ふりかえりって楽しいチームビルディングの時間ですよね?

  • 2020年12月。

やっぱり、ふりかえりは楽しい。

最近、なんでふりかえりするんですか?という質問をされたことがありました。 以前の自分なら「しっかりと反省して次の改善につなげて頑張るためだよ」とか言ってそうですが、最近は「好きで楽しいから」と答えることが多くなりました。「苦しんでまでやるもんじゃないよ、ふりかえりが苦しいならまずはどうして苦しいのかふりかえりしてみよっか?」 みたいなノリに変わってきたなーと思います。

おわりに

いかがでしょうか。 ツイートを読み返してみても、ふりかえりのことばかり考えていた1年でした。 来年もまたふりかえり観が変わっていくのか自分の変化に自分も興味があります。

皆さんも良いふりかえりライフを!

「プロダクトマネジメント ービルドトラップを避け顧客に価値を届ける」を読みました。

はじめに

こんにちは、kuroです。唐突ですが、「プロダクトマネジメント ービルドトラップを避け顧客に価値を届ける」の発売を記念した株式会社アトラクタさんの書籍プレゼント企画に応募して当選しました!本記事は同書の感想記事になります。Amazonほしい物リストには元々入っていたので手元の積読本が片付いてから…と思っていたところ、運良く当選し、またブログ記事を書くきっかけにもなって一石二鳥です。

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普段からスクラム開発でPO(プロダクトオーナー)のロールを担うこともありますし、開発している製品の企画活動にも携わっているため、プロダクトマネージメントという領域には以前から関心を持っていました。プロダクトマネージメントという言葉を初めて知ったのは記憶が正しければ「ソフトウェア・ファースト」だったと思います。

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マネージャーと言えばプロジェクトマネージャーや組織の役職のことだと思って生きてきた自分に取って、プロダクトマネージャーというプロダクトに対するマネーメント職があるんだということがとても新鮮でした。

書籍の構成

本書の目次は以下のとおりです。価値交換システムという見慣れない言葉から始まります。

  • 1章 価値交換システム
  • 2章 価値交換システムの制約
  • 3章 プロジェクト / プロダクト / サービス
  • 4章 プロダクト主導組織
  • 5章 私たちが知っていること、知らないこと
  • 6章 悪いプロダクトマネージャーの典型
  • 7章 優れたプロダクトマネージャー
  • 8章 プロダクトマネージャーのキャリアパス
  • 9章 チームを構成する
  • 10章 戦略とは何か?
  • 11章 戦略のギャップ
  • 12章 良い戦略フレームワークを作る
  • 13章 企業レベルでのビジョンと戦略的意図
  • 14章 プロダクトビジョンとポートフォリオ
  • 15章 プロダクトのカタ
  • 16章 方向性の理解と成功指標の設定
  • 17章 問題の探索
  • 18章 ソリューションの探索
  • 19章 ソリューションの構築と最適化
  • 20章 アウトカムに着目したコミュニケーション
  • 21章 報酬とインセンティブ
  • 22章 安全と学習
  • 23章 予算編成
  • 24章 顧客中心主義
  • 25章 マーケットリー:プロダクト主導企業
  • おわりに:ビルドトラップから抜け出してプロダクト主導になる

本書では、機能を作ること(アウトプット)ばかりにフォーカスしてしまうことを「ビルドトラップ」と呼び、ビルドトラップを避け真の価値と成果(アウトカム)を届ける方法についてマーケットリーという架空のオンラインスクール企業のストーリーを元に解説しています。*1 原著のタイトルは「Escaping the Build Trap: How Effective Product Management Creates Real Value」です。

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本書の内容と読んで考えたこと

価値交換システム

価値を誤解すると、企業はビルドトラップにはまります。ビジネスや顧客のために創造したいアウトカムと価値を結び付ける代わりに、作ったものの数で価値を計測してしまうのです。

そもそも価値とは何か?というところから本書は始まります。顧客が価値を認めるのは、自身の問題が解決したり要望が満たされたときだけであり、このときだけ顧客はビジネス側に価値を返してくれます。至極当然の話ですが、実際のところ自分たちのプロダクトのどこに価値を感じてくれているか、どれだけの問題を解決しているかをしっかりと繰り返し安定的に把握している企業は少ないんじゃないかと思います。自分のプロダクトはまさにそこが出来ておりません…

プロダクトのリリースの成功はどのように評価されているでしょうか?前回よりも多くの機能をリリース出来た、計画どおりにリリース出来た、計画と比べてコストオーバーしなかった、リリース後の不具合が少なかった、といった観点が多いんじゃないでしょうか?そこには顧客が不在となっています。顧客のためにリリースしているはずなのに。

チームはたくさん作ることで評価されています。方針は、チームにたくさんのコードを書かせたり、たくさんの機能をリリースしたりするように仕向けるために存在していて、顧客と話すといった労力は無駄だと見なされています。

プロダクトは価値を運ぶもの です。顧客優先とか顧客視点で、という方針を経営層が宣言することも多いですが、プロダクトをリリースした後の顧客評価の計測が足りていないケースが自分自身の場合は多いです。個人の意識やスキルではなく、組織として何を計測して評価しフィードバックするかというシステムに課題があるんだなと気づかされました。

プロダクトマネージャーの役割

プロダクトマネージャーの役割について、悪い典型例や優れたプロダクトマネージャーの説明を元に解説されています。 自身の解釈ですが、良いプロダクトマネージャーの素養を簡単にまとめると以下のような感じかなと。

  • 御用聞きではなく、自身の戦略・ビジョンを持つ。
  • 全員に対して謙虚な姿勢を保ち、耳を傾ける。
  • 専門的な情報、実験で得られたデータ、分析結果を重要視する。
  • 「いつ」作るかではなく「なぜ」作るかに答えられる。

特に参考文献にはなっていませんが、「WHYから始めよ!」を思い出しました。 なぜこのプロジェクトをするのか?成功とはどのようなものか?等々、いつでもなぜに立ち止まって考えることが大事です。なぜに答えられるだけのビジョンやデータを持ちつつ、他人の声にも耳を傾けながらプロダクトの方向を示していくリーダーがプロダクトマネージャーなんだなと理解しました。

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ちなみにスクラムにおけるプロダクトオーナー(PO)とプロダクトマネージャーとの違いについて、POはあくまでスクラムチームの中のロールに過ぎず、プロダクトマネージメントの一部に過ぎないと解説されています。顧客と切り離されてなぜ作るのかを考える時間もなくユーザーストーリーを書くことばかりしているPOはビルドトラップに嵌まっています。自分もこうならないように注意しないといけない…

プロダクトマネージメントの戦略

本書では、戦略について"いつまでにどれだけの機能をリリースするかといったいう計画"のことではないと喝破しています。 スティーブン・バンギーの「The Art of Action」を引用し、以下のように説明しています。

戦略とは実行可能な意思決定のフレームワークであり、現在のコンテキストとの整合性を保ちながら、現在の能力の制約のもとで、望ましいアウトカムを達成するための行動を可能にするものである。

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優れた戦略であれば、何年にもわたって維持できるものであるべき、と語っています。 経営戦略の分野で有名な、経営理念(ミッション)-ビジョン-戦略-戦術、の4階層で言えば、戦術(計画)ではなく、ミッションとビジョンに基づいた戦略を考えるのが優れたプロダクトマネージメントということだと理解しました。

ティーブン・バンギーの研究からの引用としては他にも

  • 知識のギャップ

    • 知りたいと思っていることと、実際に知っていることとの差
  • アラインメントのギャップ

    • 人にやってほしいことと、人が実際にしていることとの差
  • 効果のギャップ

    • 行動によって達成を期待することと、実際に達成したこととの差

の3つのギャップが組織内に摩擦を引き起こすと説明しています。普段の仕事でも思い当たる節がいくつもあります。これらのギャップを埋めるようなチームまたは個人の行動を可能にするために、優れた戦略フレームワークが必要となるということです。

プロダクトのカタ

ソフトウェア界隈はトヨタが本当に好きですね。本書では、トヨタで実践されている継続的改善の基本である"カイゼンのカタ"を参考に、作るべき適切なソリューションを明らからにするプロセスとして、"プロダクトのカタ"を定めています。プロダクトのカタでは以下の4つのフェーズを繰り返します。

  1. 方向性を理解する。
  2. 現状を分析する。
  3. 次の目標を設定する。
  4. プロダクトプロセスのステップを選択する。(問題・ソリューションの探索と最適化)
  5. (1に戻る)

各フェーズはそれほど突飛なものではないと思いますが、武道のようにこのカタを繰り返し実践して習慣化することで、プロダクトのカイゼンが自然に行えるようになるというところがポイントだと理解しました。本書では各フェーズの実行方法について、架空のストーリーも交えながら具体的な方法論を示しています。海賊指標、HEARTフレームワーク、検査的調査/生成的調査、学習のための実験、コンシェルジュオズの魔法使い、コンセプトテスト、Black Swan Farming等々、UXやリーン・スタートアップ関連の知識を広く、またプロダクトマネージメントという文脈の中で、学ぶことが出来ました。

役割、戦略、プロセス、組織の力学

筆者まえがきに記載がありますが、ビルドトラップにはまってしまうのはプロダクトマネージャーだけでなく、組織全体です。 そのため、チームのプロセスを解決するだけでは不十分であり、良いプロダクトマネージメントをサポートするような組織に変えていく必要があります。*2

本書は、役割、戦略、プロセス、組織の力学が、企業が提供する価値にどれだけ影響を与えるかについて私が学んだことの集大成です。

本書の構成は、実は以下のような5部構成となっています。第Ⅰ部でビルドトラップについて説明した後は、役割、戦略、プロセス、組織の順に展開する流れとなります。組織の中にプロセスがあり、プロセスを元に戦略を考え、戦略を実行するための役割がある、という構造を元に全体がデザインされています。プロダクトマネージメントについて予算編成やインセンティブといった組織レベルの話をここまで具体的に書いてある書籍は中々無いのではと思いました。

  • 第Ⅰ部 ビルドトラップ
    • 1章 価値交換システム
    • 2章 価値交換システムの制約
    • 3章 プロジェクト / プロダクト / サービス
    • 4章 プロダクト主導組織
    • 5章 私たちが知っていること、知らないこと
  • 第Ⅱ部 プロダクトマネージャーの役割
    • 6章 悪いプロダクトマネージャーの典型
    • 7章 優れたプロダクトマネージャー
    • 8章 プロダクトマネージャーのキャリアパス
    • 9章 チームを構成する
  • 第Ⅲ部 戦略
    • 10章 戦略とは何か?
    • 11章 戦略のギャップ
    • 12章 良い戦略フレームワークを作る
    • 13章 企業レベルでのビジョンと戦略的意図
    • 14章 プロダクトビジョンとポートフォリオ
  • 第四部 プロダクトマネジメントプロセス
    • 15章 プロダクトのカタ
    • 16章 方向性の理解と成功指標の設定
    • 17章 問題の探索
    • 18章 ソリューションの探索
    • 19章 ソリューションの構築と最適化
  • 第Ⅴ部 プロダクト主導組織
    • 20章 アウトカムに着目したコミュニケーション
    • 21章 報酬とインセンティブ
    • 22章 安全と学習
    • 23章 予算編成
    • 24章 顧客中心主義
    • 25章 マーケットリー:プロダクト主導企業

付録も面白い

付録には、企業がプロダクト主導かどうかを判断する6つの質問が記載されています。

  • 最後に作った機能やプロダクトのアイデアを思いついたのは誰ですか?
  • 最後に廃止を決めたプロダクトは何ですか?
  • 顧客と最後に話をしたのはいつですか?
  • 目標は何ですか?
  • 現在何に取り組んでいますか?
  • プロダクトマネージャーはどんな人ですか?

プロダクト主導に出来ているか?ビルドトラップに嵌まっていないか?を考えるためのきっかけになりうるでしょう!

おわりに

書籍タイトルからプロダクトマネジメントに携わっている方に向けた本のように誤解するかもしれませんが、アウトプットばかりに集中せず真の価値を顧客に届けるという考え方は、プロダクトに関わる全ての役職の方が理解しておきたい内容だなと思いました。 プロダクト主導とはどういうことか?なぜプロダクト主導だと良いのか?を学ぶために、とても有用な書籍です。面白かった!

*1:架空のと言いつつも筆者が働いた企業やプロダクトマネージャーとして経験したことを元にしています。筆者は実際にProduct Instituteというオンラインスクールも設立しています。

*2:スクラムマスターは組織のカイゼンにもアプローチするという話と似ているところがありますね。

ふりかえりの質、立ち戻る問い、相互作用、インプットとアウトプットの違い

はじめに

こんばんは、kuroです。 年末が近づいてきました。 12月はやはりアドベントカレンダー。 昨年までは投稿記事を楽しむ側でしたが、今年は2つのアドベントカレンダーに登録しました。 締め切り駆動ブログ!

adventar.org

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今回もびばさんとのふりかえり弟子活1on1の内容をがっつりそのまま赤裸々にまとめます。

前回決めたアクション

  • ふりかえりのふりかえりの質を高めていく
  • もう1段階深いふりかえりを意識的にやってみる
  • 抽象化・言語化(+伝える+フィードバック)

もっとふりかえりを良くしていくためには?ということで、ふりかえりのふりかえりに注目し、抽象化・言語化をすることにチャレンジしようというアクションでした。しかしこれが難しかった。チームのふりかえりに参加出来ないことが続いたため、毎日日報で実施している個人のふりかえりを対象にして挑戦してみました。

  • 部署で実施している日報用チャットのチャンネルにYWTを投稿(ふりかえり)
  • 通勤時間に少し考えを巡らせて、ふと思い付いたこと・気づいたことをTwitterにメモ(ふりかえりのふりかえり)

試行錯誤中のツイート…

1on1の会話や考えたこと

何となく1ヶ月考えながらやってみて思ったのは、個人のふりかえりってそんなにちゃんと出来ていなかったなということ。 出来ていない、やれていない、まだまだ、といったネガティブモードだったなと読み返して気づきました。どうした疲れている??

今はどんなふりかえり?

  • 今はどんなふりかえり?
    • 日報形式でYWT。就業終わりに書く習慣は出来ている。忙しいときはサボり気味。後で読み返したり。
  • ちゃんと出来ていないところとは?
    • W:わかったことに「学び」を書くがまだまだ浅いと感じている。 -「深い」学びとは?
    • 今は気づいたことをそのままメモしている。ただ感情にフックされたものを吐き出しているだけ。知識として知ったものをメモしているだけ。他にも転用できる学びにできないものか。他にも活かせるような学びの仕方が抽象化ではないか。
    • ふりかえりのふりかえりもまだまだ習慣化出来ていない。
      • ふりかえりの様子を観察すると何かわかるかも。

びばさんの例

  • 通勤時間中に次はあれしようかなとか、あのときこうだったなというふりかえり。最近はリモートなので通勤時間がない。。
  • 自分一人でふりかえりすることが最近は少ない。
  • チームのふりかえりでも質を深めることをそこまでしてはいない。
  • チームではフラクタルにしている。1時間スプリントだから毎日6回ふりかえりと、3時間がどうだったか、1日がどうだったか、1週間がどうだったとか。
  • ふりかえりの内容がどう活かされたか?を見ている。
  • 「問い」を変え、「手法」を変えて色々。
  • YWTだけだと切り口が固定化してしまうかも?別の手法もやってみる?ふりかえりカードを使えばタフクエスチョンもある。

そういえばなんでYWTばっかりやっていたんだろう?と言われて初めて気づきました。 チームのふりかえりでは色々な視点で考えられるように工夫しているのに。 定点観測という意味では1つの手法にこだわってもアリかなと思いますが、ちょっと他の手法も取り入れてみよう。

ふりかえりカードはこちら。

booth.pm

立ち戻る問い

  • 立ち戻る問いが大事。なんでYWTやっているんだっけ?を考える。これが抽象化。こういう話は中々一人では出てこない。相互作用 。
    • 他のメンバーから特になんで〜?という疑問は出たことがない。そういえばYWTと言いながらみんな自由にやっている。必ずしもWじゃないことも書いている。
    • 以前はKPTだったので、問題よりも学びを重視したいから「YWT」に自分がした。
    • そういう意味では成功している。日々学んだことを書いてくれてるし、書いている。
  • 現状に問題があるわけではなくて、次のフェーズに来たのだと思う。
    • 日報をもっと効果的に行いたい。
      • 例えば日報を書くタイミングを揃える。共同編集可能なところに。全員でお互いにコメントを書く。学びの深め合い。お互いの仕事に関心が持てるように。

ふりかえりの相互作用

  • 相互作用という点ではまだまだ。まったくお互いの仕事を知らなかった前よりは良くなっている。
    • 次のステージとしてはどういう姿を目指したいか?
      • 特定のメンバーだけが特定のことに反応する、のではなく、全員が全員に興味を持てるような。きっかけとしての日報。
      • 誰か困ってたらそれを助けるような。チームワークが良くなるような。
      • 一人ひとりが悩んでいる・困っている状態のときに、誰に相談していいのか、そもそも相談していいのかという部分に壁があるのではないか。
      • 日報のタイミングで悩みを発信したら、返してくれる、困っていることに答えてくれる、関心を持ってくれているということに気づけるきっかけになる。
      • 悩みを書いてくれている人はいるが、書かない人もいる。理由を聞けてはいない。怖くて…。書かないことを責めるようになるのではないかと。
      • でも聞くと出てくる。
        • 自己開示が苦手?こちらが尋ねまくると向こうから言ってくるようになることもある。しつこいくらいに聞く。中心的な動きをしている人の行動は他の人にも感染る。

うっすら気づいていながらも放置していた相互作用の課題について考えるきっかけとなりました。 自分が社内で始めた日報チャンネルという活動は、自分が関わっていないチームでも数がわからないくらい増えているのですが、それらのチャンネルでも同じような相互作用がまだまだというケースもあるんじゃないだろうか。理想の姿について、自分のチャンネル内だけではなく、全体に投げかけてみると良いのかな?と思いました。社内の勉強会で発表してみるか?とにかく出来ることは自分の行動を変えてみることです。

ふりかえりをどうやって自己の成長に繋げるか

  • 話をしていてどう活かされたか?のアクションフォローアップが出来ていないなーと気づいた。
    • 期間の変化をしっかり追う。定量的なメトリクスはふりかえりではあまり求めない。定性的。
    • 自分の変化は自分自身ではなかなか追えていない。1〜3ヶ月では比較が難しい。他の人からの目線で気づくことがある。
    • もしくはアウトプット。定期的に発表している。その内容の変化で気づく。
      • 確かに、内面の変化はわかりにくいが、アウトプットの変化は自分でもわかりやすい。後で確認できる。
    • 細かく知りたい、加速したいのであれば、小さくアウトプットしていく。大多数の人に見せてフィードバックをもらう。
      • どうしてもインプットに偏ってしまう。
  • インプットした内容は使えている?
    • すぐ使う必要があるとは考えていない。ずっと前にインプットしたものがふとしたときに活用出来たことはある。
  • アウトプットとインプット、どちらの効果が高い?

アウトプットは単にインプットするよりもむしろインプット出来る。

  • アウトプットするためにインプットする。できる。アウトプットしたものはすぐに活用できる。
  • インプットを一回やめて、アウトプットを経験してみる。
  • インプットとアウトプットのどちらの学びが大きいかを比較するためにアウトプットしてみる。
    • チームへのアウトプットと外へのアウトプットは違いがある?
      • 不特定多数の方がいい。同じコンテキストだと抽象化されない。色々なコンテキストを持っているコミュニティの方がフィードバックが多い。それをチームに持ち帰る。
      • アウトプットして繋がった人から得た情報に価値がある。
      • インプットするのは自分に近しいコンテキストから取りに行く、発想の飛躍が生まれにくい。
      • アウトプットを元にしたインプットは、自分のコンテキストに近いけれど未知の情報が集まってくる。

この話をしていてイメージしたのは以下のような図。 圧倒的にアウトプットの方がインプットの矢印が多い!

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インプットとアウトプットの違い

最近開催しているオンライン読書会の場でも、確かに自分が関心のある書籍を中心として集まったメンバーなのでコンテキストは近いんだと思いますが、「私はこう思う」という視点が様々で面白いし、勉強になっているところがあります。まさにそれだなーと思いました。自分が場を作って得られるものは大きい。

次のアクション

1on1を受けて、次回までのアクションは以下に決めました。 今年始めた弟子活も次回で年内最後の1on1です!

  • インプットの時間をアウトプットに使ってアウトプットする。
  • 日報の相互作用に向けた次のステップにチャレンジ。そのために自分の行動を変える。
    • YWT以外もやってみる。
    • メンバーに声かけをする。
    • 日報、チームの相互作用の理想の姿について、チームでふりかえりを実施する。

おわりに

個人のふりかえりの質の話から、立ち戻る問い、相互作用、インプットとアウトプットの学びの違いなど、幅広く話が広がりました。 このまとめ記事自体もアウトプットですし、ふりかえりになっていると思います。

それではまた。みなさんも、良いふりかえりライフを。

KPTで未来のことをふりかえり?

はじめに

こんにちは、kuroです。 今回もふりかえり弟子活1on1の内容を書きたいと思います。

前回のアクション

コミュニティ活動のふりかえり

前回は色々なコミュニティに広く手を出しすぎて中途半端になってしまっているという話をしていました。 そこで、そもそもコミュニティ活動で何をしたかったんだっけ?ということをふりかえる機会を作り、時間の使い方を見直してみることにしました。 改めて整理すると、私が参加している理由は概ね以下といったところ。

  • コミュニティ活動を通して自分がその時間を楽しむこと
  • 広く知見を得ること、人との繋がりを得ること
  • 誰かのために貢献すること

あれもこれも全部をやっている時間はないので、直近ではXP祭り2020のスタッフとして祭りを盛り上げることと自らも参加者として楽しむことに集中しました。 当日は、1トラックのオーナーと、ビブリオバトルへの参加、オフィスに集まった一同で打ち上げ等、XP祭りを堪能することが出来て、とても楽しい時間を過ごしました。来年も是非スタッフとして協力したいですし、また今度は参加者側としてももっと出てみたいという気持ちが生まれました。 ちなみにビブリオバトルで紹介した書籍はこちらです。気になった方は是非読んでみてください。

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また、XP祭りのスタッフの方とエクストリームプログラミング読書会を実施することになりました! 既に第一回の参加者枠はほぼ埋まっていますが、参加されたい方は是非お願いしますー。

xpreadinggroup.connpass.com

頑張らないを頑張る

コミュニティ活動だけでなく社内の活動も色々手をつけすぎていて、たまには頑張らないことを頑張るのもいいんじゃないか、というお話をしていました。 そういう時間を意識的に作って立ち止まり、考えることも大事だなと思います。

とはいえ、仕事は中々自分だけではコントロールが難しいもの。プロジェクトのキーマンが諸事情で休暇が続いたこともあって、今年度の中ではかなり忙しい時期となりました。

Slack Dayに取り組んだ

忙しい中ではありますが、Slack Dayという取り組みを始めてみました。Slack Dayはyamanecoさんで実施されている丸ごと1日自分たちのために自分たちがしたいことを実施する日です。実施するテーマとスケジュールはOST形式でチーム自身が決めます。Slack Dayを知ったのはDevLoveのEmiさんの発表です。

speakerdeck.com

Management3.0カンファレンスでもyamanecoさんの方が発表されていたよう。とても参考になります。

speakerdeck.com

Slack Dayはチームの息抜きになるし、メンバーも好きなことが出来てそれが学びになりモチベーションアップにつながります。 一人ではなくチームで時間を共にするため、価値観の共有などチームビルディングにも最適だと実施してみて感じました。 しかもそこで得た知識や実験の結果が開発にも活かせることが多いので、2週間に1日もとって無駄じゃないか?と思われるかもしれませんが、十分な成果が出ていると確信しています。ついこの間はVScode live shareをみんなで試すということをしてみました。他のメンバーの提案に乗って、普段あまりしないことにもチャレンジすることで、エンジニアとしての幅が広がるように思えました。

大事な人が抜けるときにどうするか

プロジェクトに人の出入りは仕方がないですが、大事な人が抜けるときはやっぱり大変です。 私は自分が代わりに頑張らないといけないって考えてしまうタイプですが、1on1ではそういったときにどういう考え方が出来るかについて話をしました。

居なくなったら居なくってもそれはそれで良い機会。 頑張っていた人がいたことで出来ていたものが見えてくる。 定型的ではないタスクとしてその人が当たり前にこなしていたものに気づけるチャンス。

びばさんからのアドバイスです。 自分が頑張りすぎてしまって、他のメンバーの成長の機会を奪ってしまっているのかもしれない。 他のメンバーともっと相談して、キーマンがいないときにどうする?という話をしても良かったかもしれない。 自分が全部巻き取ってしまった背景には、他のメンバーじゃできない仕事だと思い込んでいたんじゃないか。 そもそも他のメンバーも自分が知らないだけで何かを巻き取ってくれていたのかもしれないけど、それすらお互いに共有出来ていない。 まだまだコミュニケーションが足らないところがあるなーと省みました。今度早速聞いてみよう。

一人が巻き取るのではなくチームで支える文化にしていく。 チームの中で問題を開示し合える関係性を作っていく。 文化を変えるにはボトムアップだけでなくトップを落とす。

こちらもびばさんからのアドバイスです。 スクラムマスターはチームを超えて組織を変えていくミッションがありますので、偉大なスクラムマスターとなるべく今後も精進したいと思います。

年初に立てたゴールの状況

RSGT2021に参加して何かワークショップをしたい。

中々無謀なゴールを立てたもんだと9ヶ月経って思いました。昔の自分すごいな。 RSGTにかける皆さんの想いもよくわかるようになって、自分もステップアップしていきながらじっくり練った内容でプロポーザルを出したいなと意識が変わり、2022に向けてまた頑張りたい心持ちでいっぱいです。

1年後に圧倒的成長をしてこの場で発表しないといけない。発表を強いられている。と考えてみる。 そう考えながらエクストリームなことにチャレンジしていく。

危機感が足らないのかもしれない。。。 イベントが終わった後は、あー終わった終わったではなく、また1年後にどうなっていたいかを考える絶好の機会。 是非自分のチームで一緒にやってきたことを発表したいと思います。まずはプロポーザルを書いて出すことからですが!

  • びばさんに社内で講演してもらう機会を作りたい。 (社外の影響力のある方の力を借りたい)

社内講演の壁は予想外に高かった… こちらも今年は難しく、来年に向けて種まきをしていく所存です。

ふりかえりの話

今回の1on1ではふりかえりの話をしました。ふりかえり弟子活なので当たり前といえば当たり前ですがw 以降は1on1の内容そのままで対話形式で記載します。

ふりかえりをもっと深く学ぶには?

  • ■ふりかえりのこともそれなりに詳しくなった。今の状態にはそれなりに満足はしているが、もっと深めていく、のめり込んでいくために次はどういうアプローチをしていけばいいか?もっとしたいな、という気持ちがあって、どうしていけばいいのかが明確になっていない
  • □それはなぜ?
  • ■そもそもふりかえり弟子活だから深めていきたいという話もあるが、やっぱり好きだから。ふりかえりが好きなものだからもっと知りたいということだと思う。もっとこれを好きになるためにはどうすればいいでしょう?
  • □どうやって深めていくアプローチをしていこうと思っている?
  • ■ふりかえりの目的とか効果はある程度学んできたけど、それ以外にも「こういうこともふりかえりでできるね」みたいな新しい気付きがあるはず。そういうのにもっと気づくためにはどうやったらできるか。メンバーに任せているときに「そういうことも気づけるのね」「そういうのも学べるのね」みたいな現場の中で気づける・学べることがあると思う。あとエクストリームな人たちがやっているふりかえりで「そういう観点もあるんだ」というのを勉強していくイメージ。

ふりかえりの学びの段階

びばさんの例になりますが、ふりかえりの学びにも段階があることを教えていただきました。

第一段階

  • ふりかえりの手法をとにかくいっぱいやってみる。またそれ自体をふりかえる。構成とか問いかけとかフィードバックとか。繰り返し繰り返し。それぞれの手法の形は違うけれど似ている部分が見えてくる。どのふりかえり手法も狙いを持っているのは同じ。そうすると新しい手法でも狙いが想像できるようになってくる。自分の狙いに合わせてカスタマイズできるようになる。

第二段階

  • 1パターンのふりかえりの組み合わせだけでなく、事前に複数のパターンを考えておけるようになる。また狙いを理解しているから状況に応じてパターンを変えられる。更にいくと、当日の現場の状態に応じて、ふりかえりの組み立てが出来るようになる。

第三段階

  • 手法にこだわる必要がなくなる。手法の形をなしていないけど狙いを実現する問いとかエッセンスが混ぜ込まれている状態。守破離の破。だけど他人が真似をすることは難しいので、メンバーの育成には向かない。単なる雑談でもふりかえりができる。

第四段階

  • どんな目的だろうが手法にこじつけることができる。例えばKPTで未来のことをふりかえりもできる。守破離の離。型を作り出した結果、また元の型に戻ってくる。狙いによって同じ型でも自由に使いこなすことが出来るようになる。

ふりかえりを深く学ぶためにはふりかえりのふりかえりが効果的

  • □人によって違うけど実践しないと見えてこない。ふりかえりの数をこなす。自分でワークするだけでなく、発表してフィードバックしてまた実験しての繰り返し。なにができそう?
  • ■試すネタは色々ありそう。最近は数もこなしていたのでそこそこ自信があったがまだまだだなと感じた。
  • □数よりも1回1回のふりかえりの内容をふりかえることが大事。
  • ■ふりかえりのふりかえりはいつやるべき?
  • □ベストは2回。詳細を覚えているうちに1回。翌日の記憶が定着して詳細が薄れた後にもう1回。1回目は具体的な内容が、2回目は抽象的な内容をふりかえることが出来る。フラクタルに1ヶ月、半年、1年の周期でまたふりかえると違った視座でふりかえることが出来る。 また言語化すると後で引き出しやすくなる。

上記の会話の中で、びばさんご自身の過去のふりかえり記事も一緒に読み返しながら、ふりかえりのふりかえりについて探求することができ、充実した時間となりました。

qiita.com

次のアクション

今回の1on1を踏まえて、次のアクションは以下としました。

  • ふりかえりのふりかえりの質を高める。抽象化するための記憶が定着してから実施するもう1段階深いふりかえりを意識的にやってみる。
  • 抽象化と言語化。加えて、可能であれば学んだことについて伝える+フィードバックを貰う。

2020年も残すところあと3ヶ月。3ヶ月間みっちり深めていきたいと思います。

皆さんも、良いふりかえりライフを!

認定スクラムマスター(CSM)研修を受けました。

はじめに

8月某日、Odd-e主催の認定スクラムマスター研修を受講し、晴れて認定スクラムマスターとなりました!今回は研修の概要や学んだことをまとめたいと思います。

www.odd-e.jp

研修の概要

Odd-eの認定スクラムマスター研修は以前はオフラインでの開催でしたが、コロナ禍のため今はZoomとMiroを使用したオンライン開催となっています。研修中にトレーナーから説明がありましたが、トレーナー側もオンラインでどうやったら良い研修が実施できるか模索・改善を続けているようです。オフライン開催を待つ手もありましたが、現場ではリモート環境が当たり前になっている現状を踏まえ、逆にオンラインで研修を受ける方が面白いと考えて、今回受講に踏み切りました。

研修期間は従来だと2〜3日間だったところ、オンラインでは5日間と長くなっており、月曜から金曜までスクラムを探求する日々を過ごすことが出来ました。いやー楽しかった。トレーナーはMJことMichael JamesさんとAgileコーチの榎本さん。研修中は受講者から多数の質問が飛び交いましたが、どの質問にも本当に丁寧に回答して頂きました。コロナ禍のためオフミーティングは実施出来ませんでしたが、コロナ禍が落ち着いてMJさんが来日された際はお声掛けしてくれるとのこと。楽しみ!

「Certified LeSS Basics」の資格も同時に取得

今回の研修では「Certified ScrumMaster」だけでなく、「Certified LeSS Basics」の資格も同時に取得することが出来ました。Large Scale Scrum (LeSS)は複数チームによるスクラムのためのフレームワークで、Craig LarmanさんとBas Voddeさんが開発したものです。実際に業務で複数スクラムチームの運用をどうするか?について試行錯誤していたところがあったので、今回LeSSのフレームワークを学べたのはとても有意義でした。

スクラムの型

スクラムに関する情報は世の中に多く出回っていますが、中には型から外れていることが書かれている場合もあるとのこと。そのため、参考図書も限定され、きちんとスクラムの基礎・型を学ぶことが重要視されていました。つまり、守破離の守。

教本となったのは以下の4つです。

また、その他参考資料として、MJさんのWebページであるScrummaster.jpLeSSフレームワークのルールLeSS.worksスクラムマスターチェックリスト等が参照・説明されました。宿題として事前セルフアセスメントを実施。

何度もスクラムガイドを読んでいましたし、実際にスクラムっぽい形で開発を実施していたので、それなりに型は理解しているつもりだったのですが今回研修を受けて、いかに自分が"スクラムっぽい何か"でやっていたかを思い知りました…。大事なところの学び直しと間違って理解していたところの矯正が出来て本当に良かったです。

研修中の学びに関するメモ

色々な学びがありましたが特に心に残っているものや学び直したものを、ふりかえりも兼ねていくつかまとめます。 沢山あって書ききれない…!

小さく始める

プロジェクトに投入可能そうな人が多くいると、とりあえず体制表を作って人を組み込み、稼働率を高めてタスクを振りがちになるのが従来の仕事の仕方。スクラムでは大規模開発をまず避けます。最初は1チーム(リーディングチーム)で小さく素早く作り始めて価値を検証することを重要視します。「大規模開発は最後の選択肢」とマーティン・ファウラーさんも言ってます。チームを増やすのは本当に必要だと判断してから。我々はプロダクトを成功させたいのであって、人を忙しい状態にさせたいのではないのです。これは意識しないと従来の仕事になりがち…

スクラムチームのゴール ≠ スプリントゴール

スクラムを活用するには、これらの 5 つの価値基準を上手に実践しなければいけない。個人は、ス クラムチームのゴールの達成を確約しなければいけない。スクラムチームのメンバーは、正しいこと をする勇気を持ち、困難な問題に取り組まなければいけない。

誤読していたのですが、スクラムガイドのここで説明しているスクラムチームのゴールとは、スプリントゴールのことではなく、スクラムチームが目指す目標・ありたい姿のことだということです。ゴールと言えばスプリントゴールと思っていたので読み誤りましたが、確かにここでスプリントゴールの話が出てくるのはおかしい。

ちなみに、確約(Commitment)についても議論があり、コミットという単語が強すぎで開発チームを追い詰める事例が海外でもあったことからCommitmentではなくForecastを使おうという動きがあるとMJさんが補足されていました。元々見積もり困難な仕事に取り組んでいるのに、コミットしたやないかと詰めてもお互い苦しいですよね。

スプリントバックログは開発チームのもの

プロダクトオーナーはプロダクトバックログを管理しますが、スプリントバックログは開発チームが管理します。 プロダクトバックログから過去の経験と直感を元に、スプリントでこなすプロダクトバックログを選択するのは開発チームの役割です。プロダクトオーナーではありません。スプリントプランニングでは、そのスプリントで何を開発するか(What)を決めた後に、どう開発するか(How)を開発チームが考えます。

INVESTのIndependentは優先順位を変えられるということ

プロダクトバックログはINVESTが良いと言われています。

  • Independent
  • Negotiable
  • Valuable
  • Estimable
  • Sized right (Small)

この中のIndependentは"独立している"や"依存関係がない"という意味となりますが、より目的に沿った意図としては、プロダクトバックログの優先順位を変えられるということです。

A⇨Bの優先順位でしか実現できない場合はIndependentではありません。良いプロダクトバックログコンポーネント単位(横切り)ではなくフィーチャー単位(縦切り)に分割されています。より価値の高いものを優先的に開発するため、A⇨BとB⇨Aのどちらの順番でも実施可能となっていることが求められます。

Doneの定義が組織課題を炙り出す。

Doneの時点でプロダクトがリリース可能な状態になっていないとしたら、そこには組織の課題があります。 例えば、セキュリティテストや品質管理が別部門の管理となっていて開発チームから権限が奪われている状態です。 権限が奪われた開発チームにはその観点の責任が育たないため自己組織化から遠くなります。そもそも何故別部門が必要なんでしょうか。 開発チームが考えるDoneの定義で何故リリース出来ないかを考えることで、組織の課題が見えてくるとのことです。 そうした課題に関しては、5つのWhyで根本原因を考え、組織改善フォームを提出し組織構造を見直すことを支援するのもスクラムマスターの役割となります。

スクラムマスターの仕事は能動的に何もしないこと

スクラムを知っているが故に、チームがスクラムから外れるとスクラムマスターがついつい注意したくなります。導入初期など時にはティーチングも必要ですが、より重要なのはコーチングです。自分たちで気づくまで待ち、チームを観察することが求められます。決して放置ではなく、最も効果的なタイミングで最も効果的な投げ方をするために観察・考える時間がスクラムマスターにとって一番長い時間になります。他スクラムマスターと協力しながら、チームの自己組織化を支援し、組織自体の改善も図っていく。これがまさにスクラムマスターの役割だなと本研修で学びました。

おわりに

今回研修を受けて、スクラムアジャイルが好きだなーと改めて思いました。スクラム楽しい。スクラムの探求も楽しい。そしてスクラムマスターの責任は広いし重い。

"組織の何を最適化するか?"次第なので必ずしもスクラムが適しているとは限りませんが、チームだけでなく組織へのアプローチを認定スクラムマスターとして今後も推進していきたいなーと思います。ではまた。

2020年8月頃のふりかえり

はじめに

こんにちは、kuroです。 今回もふりかえり弟子活1on1の内容をまとめていきます。 1on1のメモ取りが、物理ノートへ筆記⇨iPhoneメモ⇨HackMDと進化してきており、はてなブログを更新させるのもそうですが、1on1の内容を文書化された形でリアルタイム共有出来る点が非常に役立っています。

前回アクションのふりかえり

前回決めた次のアクションは

  1. ふりかえりをとにかく一緒に楽しむことに集中してみる。
  2. 自分の弱みを見せる。コーチングのフィードバックをもらう。
  3. (POとしてチームとの対話の時間を増やす。プロダクトのビジョンを示す。)

の3つでした。

ここしばらくふりかえりのファシリテータは自分以外のメンバーが輪番で実施していたのですが、久々に自分がファシリテータとなって、チームとしては初めてとなるMad/Sad/Glad、SailBoatや360度フィードバックなどを実施しました。SailBoatは絵の上に付箋を張り出していったのですが、絵があると想像力がかき立てられて楽しいというコメントを頂きました。確かに楽しい。360度フィードバックでは普段中々得られることがないコーチング観点のフィードバックを貰いました。

  • チームの軌道修正や豊富な知識でチームを船頭してくれている
  • 不明点をなくす、答えを示すのではなく導いてくれる感じ

なるべく自分が考える解を最初から提示せず、チームの力を信頼して一緒に考える姿勢を持って取り組んでいたので、しっかり届いていたなーとフィードバックを得られてよかったです。自分に対して「どうでしたか?」という風に随時フィードバックを求めるのは難しいし、何かちょっと違う気がしています。前回の1on1でびばさんから教えて頂きましたが、まずは自分がチームにフィードバックをすることを大事にして、フィードバックループを作っていきたいと考えています。

前回の1on1ではPOのもやもやについても相談していましたが、チームとの対話を増やすことを意識し、またPOのロールが難しいので自分も悩んでいることを説明しました。そうするとPOが1人でプロダクトバックログを考えなくてもいいんじゃない?との返しを頂いて、なるほどーメンバーの方がよっぽど適応的だなあと勉強になりました。

前回のふりかえりここまで。

最近のトピック

チームでむきなおりを実施。

2ヶ月ほどの活動を通して、評価軸に対する自己評価/課題/あるべき姿を話し合う"むきなおり"をチームで実施しました。 その中で、「ふりかえりのファシリテーションを実施していたけど自己評価は低い。もっと新しい手法を学んだり、その場その場で適切な手法を選択できるようになりたい」というコメントがありました。決してファシリテーションがイマイチだったわけではないのですが、チームのメンバーがふりかえりの価値を理解し、もっと良いものにしていきたいと思ってくれていることが分かって嬉しい気持ちになりました。

また面白かった議論として、カンバンのタスクがリアルタイムに反映出来ていない、という課題が上がったのに対して、大体モブで仕事しているんだからリアルタイム反映しなくても状況分かっているし別に良いんじゃないか、という話がありました。どちらが良いかは置いておくとして、昨日の当たり前を今日見直すことが出来るチームになってきているなと感じて、これも成長を感じるエピソードとなりました。

新人のトレーナーに(久々に)なった。1on1を始めた。

弟子活では1on1をされる側ですが、1on1する側になりました。 お互い何を話したらいいんだっけ?というスタートからですが、ここでの1on1で得た内容も活用しながら、後輩のふりかえりを支援していきたいなーと思っています。

XP祭りビブリオバトルに参戦表明

枠も空いていたので、「うっ」と思いましたがこれこそチャンスか!と思い参戦しました。 スタッフとして、参加者として、XP祭りを楽しんでいきたいです。 どの本にするかはまだ悩み中です。推し本を選びます。

その他、社内でスクラムフェス大阪の視聴会やスクラムガイドのABDなどを実施したりなど。 アジャイルな活動を少しずつ浸透させる啓蒙活動を推進中です。

近頃の悩み事

今回相談した悩み事は、ふりかえりの組織への展開と、コミュニティ活動について。 以下、1on1の会話内容です。

ふりかえりの組織への展開

  • スクラムチーム以外に、1か月~2か月ほどWF開発のチームと、所属課で定期的なふりかえりをしている。だけど、自分が見れる範囲しかふりかえりがあまり上手く回っていないし、自分が見れる範囲にしか広まらない。WF開発のチームは特にうまくいってなさそう。結果の共有はしてもらってるけど…次のタスクを洗い出すみたいなアクションがメインになってしまっている。
    • イノベーターやアーリーアダプターに対する取り組みと、それ以降では全然違う。
    • ただスクラム以外のWF開発で成功体験が生まれると、キャズムを超えるきっかけになりうる。その後は勝手に広まる可能性が高い。自分の場合は導入支援として8回はふりかえりを実施している。部レベルだと定着に1年以上かかることも。
    • 困ってたら支援するんで呼んで。では中々呼んでくれない。上手くいっています?力になれるんで話してみます?みたいな問いかけの方が経験的には良い。
    • "社外"のコンサルを活用するか。社内でも社外のアジャイルコーチであるかのように振る舞うのも手。
    • 大きい会社ほど効果を求められる。それって意味あるの?を求める実績おじさんは「社内はこんなレベルでしょ」と思ってしまっている。
    • 実績おじさんの部下、実績おじさんより上の人に気づいてもらう。自分の声からではなく周り声からだと動く。
    • 地ならし、受け入れられる土壌が必要。
    • 口コミ戦略。楽しい姿、背中を見せ続ける。のが良い感じ。

(後日ふりかえり)

まだまだ初めて1か月~2か月なので、上手くいっていないのはむしろ当然。少々焦り気味でした。しっかりと続けていれば勝手に広まるタイミングは訪れそうなので、ふりかえり楽しいぞ!を背中で語りながら、もう少し辛抱強く継続していきたいと考えています。

コミュニティ活動について

  • コミュニティ活動、色々なところに顔を出しすぎて全部中途半端になってしまっている…
    • コミュニティ活動を通じて何をしたいのか?
      • 自分が楽しむ。また参加側でお世話になっているコミュニティに貢献したい。コミュニティの中でもっと議論したりと思うが時間が取れない。
        • 現実問題、絞るしかない。しんどいくらいなら抜けちゃうのも手。
        • 今の自分はこれに出たいというのに集中してみる。取捨選択。バックログと一緒。下にあるのは諦めちゃう。
        • インプットからアウトプットする方にシフトしてみると、よりつながりも増えるし情報も集まることが分かった。
        • やりたいことだけをやれればもっと楽しくできる。参加する意義は日々変わるはずなので、その時に舵を切ればよい。
          • これからどうしたいのか、ふりかえってみる。

(後日ふりかえり)

楽しむために参加したコミュニティにあまり貢献出来なくて逆にストレスになってしまっている現状に対して相談しました。"集中する"。これに尽きるかなと思います。時間は有限ですし、家族との時間も優先事項な中で、今何をしたいか今後どうなっていけるか、をふりかえりしたいと思います。

その他

全体を通した頂いたコメントです。

  • 肩の力をもっと抜いて良いかも。手を広げすぎている?本当に注力したいものに注力して、絞ることも大事。
  • ゆとりを生む活動も大事。ゆとりが無いと結局あれもこれもがないがしろになってしまう。
  • 頑張らないを頑張る。チームにもたまには仕事から強制的に離してあげる時間を作っては。

思考がすぐに「あれもこれもすべき」になる傾向があるので、ここらで一旦立ち止まって見直した方が良いかなと自分でも感じました。もっと自分の中に余白の時間を作っていかなければ。

次のアクション

今回の1on1を通して次のアクションは以下に決めました!

  • コミュニティ活動のふりかえり
  • 頑張らないを頑張る

また次回。良いふりかえりライフを。